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【テンプレート付】動画制作会社が教える企画書の作り方!6W1Hで作成

企画書

今回は動画制作をする上で最初のステップとなる「企画書」の作り方をご紹介します。企画書を作成することで

  • ぼんやりとしていたイメージをしっかりと固めることができる
  • 制作を進めていく上で論点のズレを防ぐことができる
  • 社内共有の良いツールとなるため予算確保をしやすくなる
  • 外部に依頼する際にイメージのズレを防ぐことができる

といったメリットがあります。では早速、動画制作における企画書の作り方を解説していきます。

動画制作の企画書の作り方

企画とは、これから行おうとしている物事の計画を立てる作業を指します。

ただ計画を立てれば良いのではなく、その中でこれから行おうとしている物事のコンセプトや物事を実現するための方向性、具体的方法、人・金・物等の必要なリソースをまとめることが必要となります。そしてこれらの必要事項を動画制作に携わる全ての関係者に説明し、コンセンサスをとる作業までが企画において重要な部分となります。

企画部分を固めていくことが、動画制作をする上での「指針」となっていくためとても大切な作業となります。企画書が具体的であればあるほど、制作時の迷いや負担は減ると言っても過言ではありません。のちの工程になるほど企画部分に関わる根本的な修正は困難となるため、多少時間をかけてもできるだけ詳細に企画書を作成するのが良いでしょう。

企画書は『6W2H』で作成

企画書は、表のように6W2Hに沿って物事を整理し確認していくと書きやすくなります。また各項目をまとめておくと、企画を提案する時に要点を説明しやすく、動画制作の全体像を誤解なく伝えるのに役立ちます。

決めていく項目はコチラになります。

動画制作における『6W2H』

それでは一つ一つの項目について解説していきます。

【Why】

1.動画の目的・目標

企画書を書くうえで一番重要なのが、動画を制作する目的です。目的の項目がまとまっていないと企画全てが迷走し、「動画はできたけど何も達成しなかった」という最悪の結果にもつながります。そもそも目的を達成するためには動画である必要があるのかという視点から考え始めるが大切です。動画制作は目的達成のための一つの手段であることを忘れないようにしましょう。

次の質問に答えられるように目的を定めましょう。

「なぜ動画を制作するのか」
「動画を制作した上で何を達成したいのか」
「動画によって視聴者にどのようなアクションをとって欲しいのか」

目的は具体的であればあるほど方向性が定まりますが、長々と書く物ではありません。要点を押さえながらも誰もが理解しやすい形で明記しましょう。もし複数の目的がある場合は動画自体を複数に分け、「一つの動画に一つの目的」を心がけましょう。

動画制作の目的が定まったら、動画制作の目標を設定しましょう。

目的を達成するための具体的な数値であるKPI(重要目標達成指標)を決めます。KPIの達成が目的の達成へつながるように設定しましょう。

ここで一度、なぜ目的の他に目標が必要なのかを考えてみましょう。目的がゴールだとすると、目標はゴールに至るための中間指標となります。複数の指標を取り入れ目標を設定することで、目的達成のためのルート作りができます。

プロジェクトにおいてどのような道筋で目的を達成するのか定めておくと、チームとして同じルートで目的に向かうことが可能となります。動画制作途中で定期的にこの目標を見直すことで、目的に向かっているのかを確認でき、もし道から逸れていた場合、制作途中で内容を修正することが可能です。このように、目的達成への道しるべのために、目標を設定することが重要となります。

【What】

2.伝えたいメッセージ・コンセプト

動画で伝えたいメッセージ・コンセプトをはっきりさせておきましょう。動画を見ることによって視聴者に知ってほしいことをメッセージとして動画に反映させます。メッセージを伝えられる数は動画の長さによって変わります。短い動画ではメッセージを一つに絞る方が視聴者に伝わりやすく、動画としても方向性が定まりやすいです。「詰め込み過ぎない」が伝わるポイントとなります。

3.動画のテーマ・タイトル

伝えたいメッセージを元に、動画としてのテーマ・タイトルを決めます。まず、取り扱う動画の大まかなテーマを固めます。シンプルなのかナチュラルなのか、ビジネス向けなのか、動画の持つテーマで動画としてのイメージは大きく変わります。ある程度軸を定めておくことで、制作者が複数人いる場合かつ動画が複数あるシリーズ物であったとしても、一貫性のある動画を制作することができます。

次に動画のタイトルを決めます。多くの動画視聴者は目的を持って動画を探し、視聴します。その時に動画タイトルがはっきり定まっていると、「この動画では〇〇(タイトル)の情報を得られる」という認識を事前に持って動画を視聴でき、動画への理解度が高まります。さらに、タイトルが定まっているとその動画(情報)を求めている人の検索にかかりやすく、効率よくターゲットへ動画を届けることができます。

このように制作者側にとっても、視聴者側にとっても動画テーマ・タイトルを定めておくことは大いに価値があります。

【Who・Whom】

4.ターゲット・ペルソナ

「動画を誰に届けたいのか、観て欲しいのか」を決めておくことは大切です。動画を始めあらゆる情報はターゲットの属性によって理解度や伝わり方が大きく変わります。英語圏の人には英語で、子どもには理解しやすい言葉で、専門職の方へは専門用語を用いて等、私たちはターゲットによって話し方や伝え方を変えています。

私たちが話す人によって話し方を変えるように、動画も伝え方を変える必要があります。ここでは誰に伝えたいのか、その人の属性やペルソナを具体的に決めるステップです。ターゲットやペルソナが具体的であればあるほど伝え方が定まり、制作する上での表現方法や方向性が変わります。今一度誰に観てもらうために動画を作るのかを考えましょう。

【When】

5.公開日

ここでは動画を公開する日を決めます。商品の発売プロモーション動画等の場合は、商品発売のどの程度前から動画を公開するのが効果的なかを考えながら公開日を設定しましょう。また、配信媒体の特性やターゲットの生活スタイルから動画を視聴しやすいに時間帯も考慮し、公開時間まで定めるとよりターゲットに届きやすくなるでしょう。

【How・Where】

6.配信媒体・動画の仕様

まず動画の配信媒体を決めます。配信媒体を決めることにより、制作した動画がどのような経路を経てターゲットまで届くのかをコントロールすることができます。

配信媒体によってユーザー層の特性は異なりますし、動画の仕様や長さ、掲載場所も変わります。各媒体の特性を分析した上で動画のターゲットを再確認し、各媒体の特性・ユーザー層とターゲットが一致する配信媒体を選びましょう。

次に動画の仕様を決めます。動画の仕様とは動画の解像度やピクセルアスペクト比、ファイル形式。フレームレート等を指します。専門用語が多く分かりずらい工程ですが、先ほど決めた配信媒体によって推奨の仕様形式があるので、そこから逆算して動画の仕様を確認しましょう。

7.動画の種類

動画には様々な種類があります。大きく分けて実写とアニメーションに分けられます。それぞれ向き不向きがあるので、動画の目的やターゲット、配信媒体によって最適なものを選択しましょう。

8.動画の尺

動画の長さは動画の目的や伝えたいメッセージ量、配信媒体によって変わってきます。
動画マーケティング企業である「Wista社」が、動画の長さ別に「視聴者のうち何%が動画を最後まで見ているか」を分析したデータによると、動画の長さが1分以内であれば60%程度のユーザーが最後まで視聴しており、長くなるほど視聴率は減る傾向にあると発表しています。

このように長々と説明するより1分以内等、できるだけ短い尺でメッセージを伝えた方が動画を最後まで見てもらえて、ターゲットに伝えてたいメッセージを届けやすい傾向があります。
また、動画の尺は動画予算にも大きく関係するため、予算面も考慮した上で決めましょう。

出典:Wista「How Long Should Your Next Video Be?」

9.参考動画

どんなに企画書を詳細に詰めても、イメージの食い違いはよく起きることです。そこで役立つのが参考動画です。これから制作する動画の世界観やイメージが似ている動画をいくつか挙げておくことにより、動画制作に関わる全ての人がより近いイメージで制作に関わることができます。

10.運用体制の構築

動画制作には、企画・撮影・編集・アップロード・アナリティクスとタスクが数多く存在します。誰が何をどのように担当するのか等、運用体制を整えることにより、各業務の質を高め、計画通りに動画制作を進めるのに役立ちます。

次のステップを参考にし、運用体制を構築しておきましょう。

  • ステップ1:自社でどこまでできるのか、制作に関わるスキルや時間人数を確保できるのかを確認する
  • ステップ2:外注する必要があれば、その範囲を決定する
  • ステップ3:動画制作に関わる全ての人のコミュニケーション方法、情報伝達経路を決める
  • ステップ4:タスクに応じて人材を適材適所に配置し、担当するチームを編成する
  • ステップ5:各チームの責任者を決める
  • ステップ6:動画公開後の運用メンバーを編成し、責任者を決める
  • ステップ7:動画公開後の分析・改善に向けた体制を整える(例:分析・改善の定例ミーティングを設ける等)

【How Much】

11.予算

予算は、どの程度予算を出せるのかで、動画制作の種類や長さ、外注先の選択、動画制作にかかる時間等、動画制作に大きく関わる部分です。多くの予算をかければいい動画ができるわけではありません。まず、動画制作する目的を振り返り、目的に合った動画を制作するために、どの程度予算が必要なのか、相場も含め確認しましょう。その上で、必要な箇所に予算を割きましょう。

動画制作の予算相場については以下の記事をご覧ください。

12.費用対効果

どんなに良い企画であってもそれに見合う具体的な収益がわからなければ、企画としての魅力は低くなります。動画制作にはどうしてもある程度の予算がかかるため、費用対効果については企画段階で検討しなければなりません。

費用対効果を企画書に盛り込むことで、どのくらいの期間でどの程度の収益を出せるのか目安を説明することができます。企画を実行する上での費用とその後の収益が具体的であれば、企画としての価値は高まります。費用対効果の指標としては下記をご参照ください。

費用対効果の代表的指標

動画制作における企画書の記載例

上記で紹介した6W2Hに中身を記載した例がコチラになります。弊社が企画段階から入る際にはこのような形で提案させて頂いています。

動画制作における企画書の記載例

企画書は最低限の情報で簡潔に

企画書が何十枚もあると読み手に負担をかけてしまうことになります。裏付けの資料は別途必要となりますが、企画書自体は簡潔にまとめたものを用意すると良いでしょう。