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『解説形動画』を自社制作する場合と外注する場合の予算・時間・労力比較

解説動画

今回の記事では「解説動画」を

・自社で制作する場合

・外注する場合

に分け、予算時間労力それぞれを比較してご紹介します。

結論から言うと、自社で制作する場合の予算は5〜30万円程度、完成までに数週間〜1ヶ月程度かかります。外注に頼む場合には10〜300万円程度予算が必要で、完成までに1〜3ヶ月程度、クオリティを求めればそれ以上の時間がかかります。

また企業の動画担当者として気になる箇所は、動画制作にかかる『労力』部分かと思いますので、そちらも合わせて比較・解説していきます。

解説動画を自社制作する場合

まずは自社で解説動画を制作する場合の費用・時間・労力について解説していきます。

動画完成までにかかる費用(自社制作)

自社で解説動画を制作する場合、動画完成までに5〜30万円くらいの費用がかかります。

  • 撮影(機材費等):5〜20万円
  • 編集(動画編集ソフト費等):0円〜8万円
  • 動画素材(イラスト、BGM等):0円〜2万円

おすすめの撮影機材・編集ソフトについてはコチラの記事も合わせてご覧ください。

動画完成までにかかる時間(自社制作)

動画完成までにかかる時間は企画段階から含めると、動画のアップロードまでにおおよそ数週間〜1ヶ月程度程度かかります。工数の目安はこのようになります。

  • 企画(原稿・絵コンテ制作、キャスティング等):1週間程度
  • 撮影準備(香盤表作成、機材調達、ロケハン等):1週間程度
  • 撮影:1〜2日程度
  • 編集:1週間程度
  • アップロード:1〜2日

自社制作でかかる労力(自社制作)

ここでは、各項目で具体的にどのようなことを行なっていかなければいけないのかを解説します。

① 企画(原稿・絵コンテ制作、キャスティング等)

動画制作の目的ターゲット予算スケジュール等、動画制作をする上で、制作に関わる全ての人が共通して認識すべきことをはっきりさせておくステップ。ここでのプランニングがしっかり固められているかで、次以降のステップの進み方が変わるため、多少時間をかけても綿密に進めるほうが良いでしょう。

原稿・絵コンテ制作

企画ステップでの決定事項を言語的視覚的具体化し、動画の進め方や展開を決めるステップ。原稿では動画の目的、ターゲットに合った情報をまとめ、絵コンテでは原稿にイラストを加えることで、動画の流れをより視覚的に具体化するために必要です。ここで動画の流れの骨格が決まります。曖昧な点があると、撮影準備や撮影時のトラブルへとつながるため、綿密に決めましょう。

キャスティング・ブッキング

実写動画の場合は出演者を決めるステップ。どの場面で何人出演者が必要なのかは原稿・絵コンテのステップで決定しています。ここでは社内から協力者を頼むのか、プロの役者に依頼するのか、具体的な出演者を決定します。また出演者の日程調整(ブッキング)も必要となります。

② 撮影準備(香盤表作成、機材調達、ロケハン等)

企画ステップで決定した事項をスムーズに撮影するための準備のステップです。このステップの完成度で撮影が上手くいくかが大きく左右されるので、妥協せずに進めていきましょう。

香盤表作成

香盤表とは、撮影スケジュールのことです。撮影カットごとに「いつ」「どこで」「誰が」「どのようなシーン」を撮影するのかを事細かにスケジューリングすることで、撮影を円滑に行うための重要な資料となります。

機材調達

香盤表をもとに必要なシーンを撮影するための機材を確認し、調達します。

ロケハン

ロケーション・ハンティングの略。撮影前に事前に撮影場所をチェックすることで、撮影シーンのアングルや使用機材の追加・修正の必要がないかを確認します。ここで香盤表の情報をさらに詳細に詰めることで、撮影日のトラブルを大幅に減らせます。

③ 撮影

香盤表をもとに一つひとつ撮影を進めていくステップです。当日は1つのシーンを何度も撮影することもあります。どのテイクがOKテイクなのかを確認し、メモしておくと、後の編集効率が上がります。

④ 編集

原稿・絵コンテに沿って撮影した映像素材を切り貼りして映像を完成させるステップです。また、映像だけでなく音の編集も忘れてはなりません。全体的な音声バランスはもちろん、BGM挿入のタイミング一つで作品の印象は大きく変わっていきます。

⑤ アップロード

編集した映像を書き出し、公開するステップです。アップロードする場所によって、書き出し形式(ファイル形式)が変わるのでよく確認し書き出すようにしましょう。

まとめ:出演者と編集者の人材が確保できれば自社制作を

特に企業として課題になるのが出演者の協力編集者のスキル部分になります。この部分で人材を確保できるようであれば自社制作を検討することができます。

解説動画を外注依頼する場合

続いて解説動画を外注に依頼する費用・時間・労力を見ていきましょう。

外注する場合にかかる費用

自社で解説動画を制作する場合、動画完成までに10〜300万円程度の費用がかかります。

  • 企画(プロデューサー費、ディレクター費、構成台本制作費等):15〜50万円
  • 撮影(撮影費、機材費、ロケハン費、キャスティング費、スタジオ費等):15〜100万円
  • 編集(動画編集費、音響効果・ナレーション費、グラフィック費、メディア出力費等):20〜80万円

企画に関しては自社で担当できればコストカットが可能です。しかし企画部分が曖昧な場合、動画制作のその後の工程はもちろん、完成した動画そのもののクオリティが大きく左右するため、可能かどうかよく検討する必要があります。

最近では撮影に関しては自社で行い編集部分だけ外部に依頼という形で動画制作を進める方法もあります。

撮影や音質のクオリティに関しての不安要素、外注者が企画段階から参加しているわけではないため情報が伝わりづらい、などのデメリットはありますが、コスト、編集作業の時短という面では大きなメリットが見込めます。

大量に動画を制作する必要がある、月に何本も動画をアップロードしていく、という場合にはこの方法が良いでしょう。

動画完成までにかかる時間(外注依頼)

動画完成までにかかる時間は企画段階から含めると、動画のアップロードまでにおおよそ1〜3ヶ月程度かかります。工数の目安はこのようになります。

  • ヒアリング・見積もり:2週間程度
  • 企画(原稿・絵コンテ制作、キャスティング等):2週間程度
  • 撮影準備(香盤表作成、機材調達、ロケハン等):1から2週間程度
  • 撮影:1〜2日程度
  • 編集(試写含む):2週間以上
  • 納品・アップロード:1〜2日程度

動画制作会社との打ち合わせは最近ではオンラインで行うことが可能です。おおよそ完成までに3-5回程度打ち合わせが行われます。もちろんこの回数をもっと少なくすることができますが、お互いの認識のズレを最小限に抑えるためにも、ある程度の打ち合わせはしておく必要があります。

外注依頼する際にかかる労力

動画制作を外注で依頼する際にかかる労力には以下のものがあります。

① ヒアリング(目的・予算・納期等)

初回ヒアリング段階では、最低限、目的ターゲット予算納期は答えられるように、社内で考えをまとめておきましょう。さらに、参考イメージ動画や動画のおおよその長さ配信媒体企業やサービスの資料等も準備しておくと効率よく話し合いを進めることができるでしょう。また、このステップで企画・撮影準備・撮影・編集・アップロードの動画制作の流れのなかでどこまで外注するのが良いかを相談し決められると良いでしょう。

② 企画(原稿作成、キャスティング等)

企画のステップでキャスティングを自社で担当する場合、出演者の日程調整やスケジュール管理(ブッキング)を行う必要があります。

③ 撮影準備(備品準備、撮影場所確保等)

多くの場合、撮影が外注担当である場合、撮影準備もその範囲に含まれます。しかし、撮影で自社の資料を使用したい場合や撮影自体を自社内で行う場合は、自社の担当者が撮影備品の準備撮影場所の確保をする必要があります。

④ 撮影(立ち会い)

撮影当日は香盤表をもとに撮影が進められます。必ず担当者がが立ち会い、撮影された動画を一緒に確認しましょう。この作業を疎かにすると、場合によっては再度撮影が必要となり、時間もコストも大きな無駄が生じてしまいます。

⑤ 編集(編集チェック)

編集されたものを最終チェックを行います。目的に沿った動画となるように、編集内容をよく確認し、修正や追加等の変更点があれば外注先にその旨を伝えましょう。

⑥ アップロード

納品された動画を自社メディア等にアップロードするステップです。アップロード先によってファイル形式に指定があるので、納品される前にファイル形式を確認し、納品データのファイル形式を指定しましょう。

⑦ アナリティクス

動画をアップロードした後は動画のアナリティクスを確認し、今回の動画がどのようなターゲットに試聴されているのか、どの程度再生されているのか等の数値を確認・分析します。ここで当初の動画制作の目的を達成しているのか、ターゲットに届いているのかを確認しましょう。この作業を行うと次回の動画制作時に気をつけるべき点やより重視したい点を見つけることができ、より良い動画制作へとつなげることができます。 

まずは自社でどこまでできるかを確認

動画制作を自社で行うか外部に依頼するかを検討する際には、まず自社でどれだけの人材・時間を確保できるかを把握することが大切です。

その上でここまでは自社、ここから先は外注、といった形でどの部分を外注依頼するのかを固めていくと良いでしょう。ピンポイントでの依頼であれば、ココナラランサーズなどで探すこともできます。