最近よく見かけるようになった記事内の動画。
動画を記事中に埋め込むことはSEOの評価にどのような影響を与えるのでしょうか?
本記事では「動画をブログ記事内に埋め込むことがSEOに与える影響」について解説していきます。
目次
Googleの動画へのSEO評価
現在、Googleの検索結果では動画専用のタブが設けられており、メインの検索結果でも、動画専用のタブの一部が表示されるようになっています。
また、ユーザーが動画の内容を確認しやすいように、動画の一部を数秒間抽出して動くプレビューまで表示されるようになっています。
Googleは何百万ものさまざまなサイトから動画をインデックス登録してユーザーに配信すると発表していることから、これからも検索結果に動画が多く配信されることでしょう。
出典:動画のベストプラクティス
それであるならブログ記事に動画を埋め込めば、記事自体の検索結果に優位に働くのではと安易に考えたくなるものです。
しかし、Googleのサーチトレンドアナリストのゲイリー・イエーシュ氏は、2017年にTwitter上で「動画を記事に載せたからといって、それが検索順位の上昇に直結することは絶対にない」とコメントしています。
Google公式の見解
残念ながら、Googleは検索アルゴリズム評価を全て公表しているわけではありません。
しかしGoogle公式のSEOに対する見解文として「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」ではこのように書かれています。
「ウェブサイトは利用者の便宜のために構築するべきであり、すべての最適化はユーザー エクスペリエンス向上のための調整である必要があります。検索エンジンもそうした利用者のひとつであり、他のユーザーがあなたのコンテンツを見つけるための手助けをしています。SEO は、検索エンジンがコンテンツを理解して他のユーザーに提示するのを助ける作業です。」
出典:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
また、Googleが会社設立から数年後に掲げた「Google が掲げる 10 の事実」では最初の事実としてユーザーに焦点を当てています。以下一部抜粋します。
Google が掲げる 10 の事実
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。・・・金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。
出典:Google が掲げる 10 の事実
これらのことから分かることは、Googleがユーザーを第一に考えているということです。
そしてGoogleが目指すものは、ユーザーにとって価値があるサイトを上位に表示させることということになります。つまり、動画を埋め込んでいてもサイトとしてユーザーへの価値が低いと判断されれば検索順位も下がるでしょう。
記事内に動画があれば検索順位に優位に働くのではなく、あくまで、動画があることによってユーザー目線でより価値のある役立つ記事であるかが検索結果に反映されるということです。
これらのことから、記事内に動画があることによって、ユーザー目線で価値が高まるのかを考えることが重要となります。
ユーザー目線で記事内に動画があるのは実際にどうなのか?
では、ユーザー目線から考える記事内に動画があることのメリットとデメリットは何でしょうか。
・文字だけだと分かりづらいものも映像としてイメージできる
・多くの情報を短時間で得られる
例えば、料理のレシピサイトなどでは、レシピが載っているだけのものより、動画で調理ポイントを解説している方が、具材の切り方や調味料を入れるタイミングを理解しやすく、ユーザーにとって有益な情報となります。
また商品紹介などでは、長々と文章で説明されるより、実際に使用している映像の方がイメージが付きやすく、商品使用時の音など、文章では伝えづらい情報も瞬時に受け取ることができます。
・動画の内容や情報によってはかえって時間がかかる
・ユーザーの受信環境が整っていないと情報が得られない場合がある
・サイトの表示時間に時間がかかる場合がある
・視聴者の疲労度合いが高い
例えば、いち早く探している情報を見つけたい場合には、記事では斜め読みできるため文章の方が効率良く情報を収集できる場合もあります。
また、動画は文章と比較し情報伝達量が多いのがメリットですが、その反面、視覚と聴覚への情報量の多さから視聴者の疲労度合いが高くなります。
このように、ユーザー目線で考えると動画はメリットばかりではなく、デメリットとなる場合もあります。これが「記事内に動画埋め込まれている≠検索結果に優位に働く」だと考えられます。
ただし、動画が抱えている環境的な課題については、5Gの普及やそれに伴う各社のプラン変更によって、これらのデメリットは今後必ず解消されていくと考えて良いでしょう。
記事内動画を制作をする上での注意点
では記事内の動画を制作をする上での注意点をいくつかご紹介します。
文章が良いか動画が良いかを判断
まず、動画制作をする際には文章と動画どちらがユーザーにとって理解しやすいのかを考えることが大切です。前述したように、動画の方がイメージしやすい、理解しやすい内容であれば動画として表現したほうが良いですが、そうでない場合にはかえって記事の価値を下げてしまう場合があります。
目次を作りデメリットを解消
先程のデメリットでご紹介したように、動画のデメリットの1つは、流し読みができず、情報を得るために時間がかかってしまうという点です。そのデメリットをできるだけ解消するために、動画自体に目次のリンクを付けること等の工夫をすると良いでしょう。
ターゲットの再生環境をイメージした動画作り
またターゲットとする視聴者の再生環境を意識した動画作りを行いましょう。例えばターゲットとして通勤中のサラリーマンを想定しているのであれば、スマートフォンでも視聴しやすい映像に、また音声を再生できない環境であれば全ての言葉にテロップを入れる必要があるかもしれません。
Googleも動画に対しては好意的な印象
本記事のトップでも記載しましたが、Googleは何百万ものさまざまなサイトから動画をインデックス登録してユーザーに配信すると発表しています。
また、スマホ検索画面で記事+動画があるサイトは検索画面に動画のアイキャッチ画像も表示される仕様になっています。
Googleはユーザーにとって有益となる動画であれば今後もユーザーに対して良い検索結果となるように変えていくことでしょう。
まとめ
- 記事に動画を埋め込めば検索順位が必ず上がるというものではない。
- 動画を入れることが大事なのではなく、ユーザー目線で価値がある記事+動画作りが大事
- 今後動画再生の環境的課題は改善され、動画を埋め込むデメリットは徐々に解消されていく
- ターゲットの再生環境をイメージした質の高い動画作りが求められる